ディアゴスティーニみたいなやつの「源氏物語」買いました。
とても解りやすく丁寧に解説等がなされていて楽しいです。
これは最後まで買いそろえてしまいたい勢いです。
久保ミツロウさん原作の「モテキ」は、
「現代の源氏物語」だと私は思っています。
1人の男性の目を通して様々な現代の女性の姿が、
丁寧に描かれています。
同性ならではの視点できちんと「女」が書かれているのです。
例えば村上春樹さんが描く女性は、
とても魅力的で美しいですが実際そんな女性はおらず、
男の願望や欲求が投影されており、
どこかの本で「村上春樹の書く小説は男のハーレクインだ」と書いてあって、
大きく頷いてしまいました。
しかし、だからこそ私たちは村上春樹さんの美しい物語世界に、
中毒的に埋没してしまうのだと思います。
話しはもどり「源氏物語」と「モテキ」の違いはというと、
主人公がモテるか、モテないか、というのが大きな違いだと思います。
光源氏は容姿も美しく、音楽の才能も、文才もあるという、
驚異的なモテ男なのです。
なので次々と女が現れて深く関わっては別れていきます。
「モテキ」の主人公の幸世はモテません。
なのでせっかく色んな女の子とのチャンスが巡ってきても、
深く関わり合う関係にまで陥りません。
ガードが固いし、何よりも自分の事しか考えていません。
女性に対する見方が薄っぺらいのです。
そして人の表層的な部分で判断して、
うだうだと試行錯誤し、結局は誰とも付き合わないという、
悲しいお話です。
しかしそれは実に現代的とも言えるので、
今の若者達の人との関わり方をとてもリアルで、
忠実に表している作品だと思います。
「源氏物語」の光源氏はとにかくお母さんが一番で、
母を思う愛が全ての根源です。
しかもお母さんは光源氏が幼い時に亡くなるので、
これがますます幻影を深めて行く原因にもなっています。
ここに女性に求める力強い世界が出来上がっており、
そこをベースにして女性たちと接し、求め、繋がっていくのです。
つまりそういうものがないと、
なかなか深く女性にコミットしていけないのではないか、
とも考えることが出来ます。
全ては母の愛=呪いが原因なのです。
それにしても、愛だの恋だので頭の中をいっぱいにできるのは、
とても平和で幸せなことなのではないかと思いました。
国家が破綻しようと、世界中に放射能の雨が降ろうと、
愛だの恋だのにうつつを抜かすことができる、
強い人間でありたいと思いました。
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