2011年5月13日金曜日

目がきれい


今夜はBGMがフィッシュマンズの「ナイトクルージング」の中お送りします。

上原美優というアイドルが自殺したということで、
私にとって「あーあの人ね」程度の人なのだけど、
やっぱり気持ちが、もやん、とする。
特有の人間の精神の有り様、脆さ、敏感さ、
死にひっぱられてゆく世界。
不安定で、不幸で、不吉な匂い。
「ほんとに死んじゃうんだ」という、ガランとした空気が漂う。
「死にたい」という願望から、
実際に死ぬまでにだいぶと飛躍すると思うんだけど、
彼女は軽々と飛び越えていった。さらりとあちら側にいった。
人生をドロップアウトした。
「生きるなんて無理無理。やーめた。」
あ、ほんとに行っちゃうんだ。
そんな人たちは意外とたくさん居るんだろう。
アイドルの自殺は中学生がいじめで自殺するのと似てる。
会社員がリストラにあって自殺するのも似てる。
会社が倒産して一家心中するのにも似てる。
自殺はとにかく世界の狭さからやってくる。
人生、考え方に幅を持たせないと逞しくなれない。
ほとほどに適当にやってないとやってられない。
たくさんの人の生き方を観て、たくさんの人の考え方を知ること。
こうじゃなきゃいけない事なんて何ひとつない。
でも、そうなると漫然と生き延びるだけなんだけど。
アイドルとして成功しなきゃいけないんだとしたら、
恋愛がうまくいかなきゃいけないんだとしたら、
そうじゃないと生きてる価値がないと思い込んだとしたら、
それは死んじゃうよなぁ。

私のようにゴキブリのような図太い神経を持ってしまうと、
一生独身だったとしてもそれほどなんとも思わない。
いや、ちょっとは色々と思いめぐらすだろうけど、
それはそれで楽しい生き方があるんだろうと思っている。
一瞬でもいいから、世界中の全ての人間が同時に幸せが来たらいいなぁ。
そんな日は120%この世にはやってこないんだろうけど。

この世は恒久的に天国と地獄が共存しているのであって、
常に実験的な世界を繰り広げている。
つまりダイナミックなうねりの中に居るのであり、飽きる事がない。
命はうねりだ。
世界はうねりだ。
一瞬の地獄に足を取られ、簡単にあちら側に引き込まれる。
それは津波のようなものだ。
精神的な津波に襲われたら人は流されないように耐えるしかない。
そして耐える力のない人や精神的に弱っている人は波に吞み込まれていく。
波は感じる人にしか感じないという特性がある。
波を強く感じてしまう体質というのが生まれながらにしてある。
一生波を感じない人だっている。
波を感じない工夫をしているのか、もともとそういう体質なのかはわからない。
とにかく、そういう違いが人間にはある。

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