2011年5月14日土曜日
次元が違う
暇なので猫を観察している。
ゲージから出して廊下や階段や玄関付近を歩き回らせる。
傷口を舐めないようにはめているアレがすごく邪魔そうだ。
かつかつと音をたてて色んなところにぶつかりながら歩いている。
私が玄関のところに腰掛けると、その周囲をぐるぐるまわりながら、
時々「にゃーにゃー」と悲しげな声を出す。
柱や私の体にすりすりしたがるのだけどやっぱりアレが邪魔をして
うまくすりすりできない。
それに苛立ち、でもどうしようも出来ない自分の不甲斐なさに、
少し腹を立てているようだ。
興奮気味にウロウロ徘徊した後、突然動きが止まり、
暗闇の中の一点を凝視している。
私も思わず振り返ってみてみる。
なにもない。
あまりにも真剣で鬼気迫る表情で暗闇を見つめているので、
こちらがどきどきする。
そして私は猫が暗闇にある何かを見つめる姿にとても惹かれている事に気がつく。
私もこうでありたいと思う。
暗闇を凝視する。一点だけを見続ける。
その姿勢に同じ生き物としての誇り高さや気高さを感じる。
危機を事前に察知して、とっさの判断で動くこと。
全ては自分の判断にかかっている。
側にいる人が、ものすごく不安で不安定になっているとき、
それに吞み込まれることなく、優しい眼差しで眺めること。
精一杯の安定感を自分の中に保持すること。
そのことが大事なのだとおもう。
側にいる人が、不安であればあるほど私の中は安心になろうとする。
そして私の中の安心に気がつく。
こんな安心があったことに驚く。
命の奥深さに触れる。
私は少しずつそういうことを学んでいって、
実践させてゆきたいと思う。
私の小さな世界で確実にひとつひとつをこなしていくこと。
その中にしか人としての成長や力強さは得る事が出来ない。
地味で静かで目には見えない作業だけど、
そんな風にして世界は確実に変化してゆく。
改めて今後とも普通で当たり前の話しをしていきたいと思う。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿