2011年5月16日月曜日

電流と虫

NHKスペシャル「虐待カウンセリング」を観る。
作家の柳美里さんのカウンセリングの模様を収録したもの。
私の人生では「秘宝館」に続き「虐待」も度々引っ掛かるワードうちのひとつだ。

そこにある親からの連鎖的なものに引っ掛かるのだと思う。
どうしても無意識のうちにやってしまい苦しめるもの。
忌々しい呪縛。拭っても拭っても拭え切れないもの。
足かせ、息苦しさ、泥沼。
それは「虐待」に限らず、どの家庭にも必ずあるものだと思う。

私が発する言葉のすべてに、
私の家庭で吸収してきた思想であり、
空気感が少なからず帯びているのだと思う。
いくら拭おうとしてもできない。
一種の電流のようにビリビリと静かに流れている。

私はもしかしらたら「虐待」をしてしまうかもしれない、
という恐れを抱いている。
まず誰かと関係を築いていくという作業が苦手だ。
会社に留まって他人と馴れ合っていくのも、
恋人といつも一緒にいて思い出が増えていくのも抵抗がある。
突然現状ひっくり返して全部なかったことにしたくなる。
日々に疲弊して関係を壊しにかかる。

男は虫だとおもう。
よく親が娘に「悪い虫がつかないか心配だ」と言うが、
男はほんとに虫なのだ。
悪い虫がつくと、食い散らかされてぼろぼろになって捨てられて終わる。
虫が近寄ってきてもあまり相手にしないことが大事だ。
こちらはいい夢ばかり見ているから、
近寄ってくるのは当たり前である。
そこで近寄ってきた虫に適当にかまってしまうと、
虫は土足でどんどんこちら側につけ込んできて、
変な病気まで持ってきて駄目にする。
虫のそこの見極めが肝心だ。
女はいい匂いを発して居続けることだけが生き甲斐なので、
虫が寄ってきたとしても、知らん顔をするスキルが重要だ。
おもしろいと思うことだけを考え続けていこう。

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