水木しげるの「妖怪になりたい」全部読みました。
鞄の中にいつも忍ばせていた暇つぶし本。
母親の病院の待ち時間に完読。
次の暇つぶし本みつけなきゃなー。
やはり水木しげるは最高です。
文章がとても読みやすい。
全然気取ってないし、人柄が全面に押し出ている。
やっぱりある程度文章で人間がわかっちゃうなぁ、と
言葉を扱うことの危うさのようなものも感じつつ。
「くそつまんねーな、まじ」
「あいつも、こいつも、全員終わってるわ」
みたいな、気持ちがいつもあり、
そっからじわりじわりと滲みでる感情がある。
恨みみたいな、怨念みたいな。
何かと不都合なことがおきると、
「死ねばいいのに」
を連発する40代がいて、
子どものようにそうやって言葉で発散しているのだな、
と思えばそれで済むのだけど、
やっぱりいつも聞いてると嫌になる。
独身の30歳前後の女3人が集まると当然のように結婚の話になる。
結婚のことなんて全く眼中にない子もいれば、
めちゃくちゃ気にしている子もいる。
(ちなみに私は前者)
「結婚して子どもを産んだらただの女にになる。」
という意識がどこかにある。
ただの女とは一体どんなものか、
私も漠然とおもっていることなのではっきりとは言えないけれど、
とにかく、男がいる女は、ほんとにただの女だ。
子どもがいたらますますひたすら女だ。
いちおう私も女の端くれなので、ただの女になりたい自分もいるし、
時々無償に女になりたいときがある。
しかし、ここのところそういう自分の気配が全く消えた。
すっきりしていて、すがすがしいほどだ。
「人生のひとつのポイントを通過したな」という感慨。
結婚したいのであれば、結婚したらいい。
できるものなら。
自分だけが結婚したいと考えていても不可能なのであって、
相手いて、しかもその相手も自分と結婚したいと考えていないといけない。
そんな状況に陥ることが簡単なタイプの人間もいれば、
そんな状況に全くならないタイプの人間もいる。
結婚なんて神様の采配だ。
自分の欲望なんてほんとは二の次なのだ。
欲望や計算で結婚する人間は、
きちんと欲望や計算でものごとを考える人間と一緒になる。
謎の引力で互いを引き合うのだ。
そんなふうにできている。
他人なんてなんだっていいのだ。
誰を好きになろうが、好きになられようが関係ない。
もうそんな世界をうろちょろして迷う生活は飽きた。
もっと、深く、深く、命の芯に迫りたい。
妖怪になりたい。
やっぱりその空気のほうが今の気持ちに近い。
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