兄が10年近く付き合っている彼女と、
2年ぐらい先に結婚するらしい。
そんな人生設計を組み立てることが出来るのがすごいと思う。
そもそも一人の女性と10年付き合うってどういうこと?
兄には「モテキ」的世界はちっとも理解できないだろう。
同じ母親の股から出てきたのに、
こんなにも世界が違うとは、正直生命の神秘だ。
彼らは結婚したら一戸建ての小さな家を買うだろう。
今時の田舎によくある建て売り住宅だ。
そこに二人で住んでやがて子どもをつくる。
人ごとながらなにやらワクワクする話である。
去年もそうだったのだけど、
この時期になると、どかーんと落ち込む。
多分それは気持ちが募りすぎることの反動で、
ちょっとしたことで募らせた想いが見事に崩壊するのだけど、
これがなかなかきつい。
とはいえ、「ああ、もう駄目だな」と呆然として、
ひとしきり静かに泣いたり、テレビ観たり、誰かと話しているうちに、
わりと復活する程度のものだ。
自分で自分を捨てたら終わりだな、と思う。
自分を自分で楽しめるのは自分しかない。
だから自分の人生を自分なりに解釈して自分なりに生きていく。
自分、自分て、どれだけ自分のことしか考えてないんだよ、
とも思うが、自分のことを知らない人に他人の気持ちが解るわけが無い。
そもそも他人の気持ちは想像することしかできない。
そしてその想像も全くの検討違いだったりするものだ。
だからまず自分ありきだ、
そんな風に思えるのに、随分時間がかかった。
何年か経って「そうじゃないんだよなー自分」と、
今の自分が思えるだろうか。
愚かさがひとつでも減っているだろうか。
そんなことを思いながら眠ることにする。
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