花村萬月氏のエッセイで、過去の女性関係に基づき、
女という生き物を暴いている文章を読んでいたら、
ふと、私も男という生き物を暴きたくなった。
20代もそろそろ終わり、30代も目前だ。
けして多くはない異性との関係を振り返ってみると、
じつにバランスよく色んなタイプと関係していることが判明した。
①暴力男
②大麻男
③才能男
④安定男
これは女が本能的に求めている全てのタイプを網羅していると言えないか。
自分で自分の無意識がおそろしい。
簡単にそれぞれを分析してみようとおもう。
まず①暴力男だ。
この人は暴力がまれにあったが、ものすごく優しかった。
4つのタイプの中で一番優しい男と言っても過言ではない。
暴力と優しさが同時に顕在していた。
きっと暴力をふるう男はだいたい優しいのだとおもう。
そして心が弱い。まるで子どものようなのだ。
母性本能というやつを喚起されてしまい女は離れられない。
男はきっとそれを本能的に知っていて、
うまく使い分けて、離れられないようにしていたのだろう。
実際一番長くそして濃密な時間を過ごした男は暴力男だ。
楽しいことと嫌なことが同じぐらいの濃さで残っている。
一緒に居てヘトヘトになるが、
体力が有り余っている若いうちに付き合うには、
ちょうどいいタイプだった。
結局、私が三重に帰ったことで別れた。
②大麻男。
この男は歳上で妻と子どもがいた。
が、まだまだ遊び足りないような感じで、
大麻をにも手を出していた。
私以外にも遊んでいた相手はいたようで、
中身はちゃらちゃらしていたけれど、
真面目風に見せかけるのも上手かったし、
体を鍛えるなどの趣味もあったのでモテているようだった。
そして、それなりに恋愛に対しての妄想があるので、
その妄想に付き合うことが出来れば関係は簡単に成立するタイプだ。
結局、妻子持ちはモテるのだ。
そして何かを背負っている感を醸し出すのが上手い男で、
ある種の女の心にスルスルと入ってくる。
そういう才能に長けていたといえる。
③才能男。
才能男が言い放った台詞で一番印象的なのはこれだ。
今でも忘れられない。
「他の人とセックスしてもいいって言えないの?」
やはり才能を持つ男はスケールが違う。
そんな男と付き合うためには、
いつなんどき誰とセックスしてもかまわないという感覚でいなくてはならない。
岡本敏子や、オノ・ヨーコばりの寛容さを求められるのだ。
「あんたは、岡本太郎で、ジョン・レノン気取りか!」
とも思ったが、しょうがない。
結局それに見合う才能があったのだから。
しかし、私には他の女とセックスしてもいいよ、
と言ってのけるほどの器量は残念ながらない。
まったく小さい人間なのだ。
はやく岡本敏子や、オノ・ヨーコのような、
ぶっとんだタイプの女の人に出会えるといいね、
と心の底から応援している。
見つかったら私も一目みてみたい。
④安定男。
安定男はただ職業が安定しているだけでなく、趣味がよかった。
話が合う。そしてなんかインテリジェンス(な雰囲気)。
しかも安定している。
完璧だ。不満はない。
本気で結婚とか考えた。
が、しかしなにかが物足りない。
物足りないのが不満だ。
しかも友達がおもしろくない。
どうしてこんなにおもしろくない人たちと付き合えるのか
不思議なほどだ。
私は彼のもとを去った。
と、大雑把に分析したところ、
すごく敵をつくる内容となった。
これは破壊願望だ。
これまでの人間関係なんてどうでもいいと、
思ってしまっている。
まずい。どうなるんだ私。
でもやめられない。
ああ、人間ておそろしい。
とはいえ、それぞれみんなを好きでした。
今もちゃんと好きです。
私のその時の欲望を満たしてくれた人たちだった。
私の人生に現れてくれてありがとうと、
心の底から感謝している。
こんな調子でまだ誰かに出会うのかもしれないし、
もしかしたらもう誰にも出会わないのかもしれない。
どちらでもいい、と思う。
浅川マキの「少年」を聴きながら、そう思う。
夕暮れの風がほほをなぜる
いつもの店に行くのさ
仲のいい友達も少しは出来て
そう捨てたもんじゃない
さして大きな出来事もなく
あの人はいつだって優しいよ
どこで暮らしても同じだろうと
私はおもっているのさ
なのにどうしてか知らない
こんなに切なくなって
街で一番高い丘にかけてく頃は
ほんとに泣きたいぐらいだよ
真っ赤な夕日に船がでてゆく
私の心になにがある
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