昨日はヨシダダイキチさんというシタール奏者による、
スルバハール(シタールとよく似た形の大きい楽器)の演奏会に
行ってきました。
演奏の前に楽器の説明があったのですが、
海の底、もしくは真っ暗な洞窟の奥でおじさんがお経をあげているような、
そんな音色を醸し出す楽器で、「寝てください」と言われたので、
とりあえず目をつぶって聴いてみました。
目をつぶって音に集中すると音の流れが形で見えて、
それがとても美しいというか心が凪いでいく感じがしました。
前半はゆっくりと穏やかでほんとに寝そうだったのですが、
後半はわりと気持ちが高揚するような音でした。
セミが鳴いているような音が心地よかったです。
「宇宙の音だわ」となんとなく思いました。
音を言葉で説明するのは難しく、
やっぱり音楽でしか開かれない世界というのがあるなぁ、
とひしひしと思いました。
それぞれが、それぞれの得意を使って一番前に行こうとしてるんだなぁ、
と改めて思いました。
そしてミュージシャンってすごく楽しそうで羨ましいです。
私が楽しくないわけでもないのだけど、
もっと、ごちゃごちゃ汚い事を考えているような気がします。
私が読みたかった村上春樹作品は、
「カンガルー日和」ではなくて「風の詩を聴け」だったのですが、
それでもカンガルー日和はおもしろかったです。
短編が抜群に巧くておもしろい。
落語と通ずるものを感じます。
「4月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて」
は村上春樹の短編の中でも一番好きな話かもしれません。
自分にとって100%の異性がいるわけないと思っていても、
どこかでこの物語のようなドラマティックな出会いに憧れているのかもしれません。
そして世の中にはその夢をハナから見てない人か、もしくは諦めている人か、
諦めていない人に分類されるのだと思いました。
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