呪われた血。
逃れられない血。
体中を駆け巡る血。
血によって動かされる運命。
全ての鍵は血が持っている。
未来も過去も全部。
血の前では理性は働かない。
支配されている。
どうにもならない。
だから逃げる。
頭で考える。
一生懸命違う場所を夢見る。
それも全部血が見せてる。
結局ぼくは血に踊らされている。
頭の中から、指の先から、足の先まで、
全部に血は行き届いている。
血がぼくに命令する。
ぼくは血の言いなりだ。
血はものをいう。
口を持つこの肉体を通じて、
喋らそうとする。
何を夢見させて、何を語らす?
頭で考える、というよりも、血が細胞が饒舌になる。
おしゃべりが止まらない。
覚醒を待っている。
全てを話したがっている。
血が持ってる世界の秘密を全部吐き出すために生きて、
それが終われば用なしだ。
ぼくはいずれ血に捨てられて死ぬんだろう。
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